男性だけでなく女性も薄毛で悩んでいる人は少なくありません。
「まだ20代なのに髪が薄くて悩んでいる…」
「加齢とともに頭皮の地肌が見えてきた気がする…」
という声も多く、中年の方はもちろん、若い方でも薄毛に悩んでいる方はいます。
しかし、女性の薄毛は男性と違い、治療次第では治る可能性が高いため、その原因を知ってしっかりケアをしていくことが大切です。
ここでは女性の薄毛は遺伝をするのか、原因は他にどのようなものがあるのかなど、女性の薄毛について考えてみましょう。
この記事の目次
女性の薄毛は遺伝する?
薄毛遺伝子を両親から引き継いだ場合は薄毛になる可能性も
女性の薄毛は薄毛の直接遺伝子が関係しているとは、まだ確実に特定されていないというところが現実です。
しかし、女性の男性方脱毛症の遺伝因子は存在しており、女性にも当然親からの遺伝はあると言われています。
この遺伝因子が両親の二人からまったく遺伝していなければ、もちろん男女とも遺伝による薄毛はありません。
そして、男性は片親からの遺伝によって(ほとんどは母方の遺伝)薄毛になる可能性が高くなります。
また、女性の場合は両親2人からの薄毛の遺伝子があれば、遺伝するという研究報告もあるのです。
しかし、その症状は男性の薄毛とは違い、目立たない人も多いのです。
薄毛は遺伝だけでなく、その人の栄養状態、ストレス、生活環境などいろいろな薄毛の原因が重なって起こるので、人によっても個人差があります。
遺伝もリスクを高める1つの原因ですが、それだけではなかなか薄毛にならない場合もあります。
遺伝も生活環境もすべて人それぞれなので、均一的なことは言えないところもありますが、女性でも薄毛は遺伝することは確かです。
女性は男性より遺伝の薄毛リスクが低い
男性約71~75%、女性25~29%の人たちが、薄毛が遺伝に影響されると言われています。
そういう意味では女性が薄毛になる割合としては男性の1/3ということになり、遺伝による薄毛になる確率は低いです。
また、女性でも遺伝によって薄毛体質になることは考えられ、それによって薄毛が発症すると、女性の男性型脱毛症という症状名がつきます。
しかし、男性の男性型脱毛症とは症状は違い、男性よりずっと脱毛量が少ないと言われています。
女性はアンドロゲン(男性ホルモン)との関係が少ないので、遺伝があったとしても男性のような症状は起こりません。
男性の場合、生え際やてっぺんが部分的に薄くなりますが、女性の場合は分け目が薄くなったり、全体に薄くなっていくという症状がほとんどで、男性のようにばっさりと抜けることはほとんどないのです。
原因①女性ホルモンの乱れによるもの
女性ホルモンが低下すると頭皮が乾燥しやすい
女性ホルモンの中でもエストロゲンはとても深く毛髪と関係しています。
しかし心身ストレスなどによって、ホルモンのバランスが乱れてしまうとエストロゲンが低下し、頭皮が乾燥しやすくなるのです。
頭皮の乾燥は抜け毛には大敵で、髪のぱさつき、フケや痒みなどの発症、抜け毛にもつながります。
栄養と水分の行き届かない畑の植物はどうなるでしょう?
カラカラに枯れて抜けてしまいますね。
それと同じようなことが頭皮でも起こってしまうのです。
そして、乾燥すると頭皮の表面が毛穴を詰まらせてしまい、ますます毛根には負担が大きくのしかかってしまいます。
更年期は女性ホルモンが低下しやすい
更年期とは閉経を挟んだ10年間の期間を言いますが、大体45歳ぐらいから閉経に向かってエストロゲンは急激に低下していきます。
脳は排卵排出やエストロゲン分泌を、卵巣対して指令だしますが、更年期になると卵巣はもう排卵をストップする準備に入るので、なかなか脳の指令どおりには排卵やエストロゲン分泌を指令通りにはできないのです。
更年期によるエストロゲンの低下は頭皮の乾燥だけでなく、成長ホルモンの分泌低下などにも影響を与え、髪の成長も抑えられてしまいます。
エストロゲンは髪の寿命を延ばし、成長を促進する働きがあり、エストロゲン低下は女性の薄毛に強く影響してしまうこともあるのです。
産後の抜け毛も女性ホルモンによるもの
産後の抜け毛も女性にとっては多く起こることです。
妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは急激に増え、赤ちゃんを守る体質に変化します。
そして、女性ホルモン分泌が増えることで安全な出産ができるとも言われているのです。
しかし、出産すると1年ぐらいは出産前の状態に戻るため、女性ホルモンは激減することになります。
特にエストロゲンは髪を増やす働きもあり、エストロゲンが急激に減ることで抜け毛が一時的に激しくなることもあるのです。
また、産後は出産の疲労も取れる間もなく、赤ちゃんや家族の世話などママはとてもくたくた。
そんな心身のストレスも抜け毛には大きく影響を与えてしまいます。
赤ちゃんのおっぱいなどによる寝不足は成長ホルモンの分泌も低下させ、髪の成長を止めてしまったり、抜け毛を増やす原因にもなるのです。
原因②頭皮環境の悪化によるもの
頭皮が硬くなると髪の毛に栄養が行き渡らない
頭皮が硬くなると抜け毛が起こると言われていますが、その原因は血行の悪化です。
血行が悪くなる原因には
- 運動不足
- 同じ姿勢が長い
- 姿勢が悪い
- 冷え症
- 血液状態が悪い
- 血管状態が悪い
などがあります。
同じ姿勢が長い事務職などの場合、全身に血液が回らないため肩こりや首凝りから、頭の凝りにつながります。
冷え症や血液ドロドロ状態、血管の詰まりなどを改善することも大切です。
このように生活習慣によって頭皮に栄養が行き届かず、毛根にも髪の毛にも栄養不足が起こり抜け毛となります。
シャンプーによる悪化
アルコール系シャンプーを長期間使用していると、頭皮への刺激が強く、また合成外面活性剤によって必要な皮脂まで取ってしまい、皮脂分泌異常が起こります。
それによってパサパサ頭皮や、逆に皮脂過剰のためのベタベタ頭皮など、頭皮環境が悪化し薄毛になることも。
毛染めやパーマによる悪化
毛染めやパーマはキューティクル自体を壊し、髪の毛の中までスカスカにしてしまいます。
その上、頭皮にも強い刺激を与え、髪全体がボロボロに。
当然毛根まで影響は及び、抜け毛が増えてしまうことになります。
特に中年になると白髪染めをする機会も増える方も多いため、その影響によって薄毛や抜け毛の原因になることもあります。
食生活の乱れによる悪化
過度なダイエットなど、食生活に乱れがあり栄養不足になると、まず生きるために重要な内臓から栄養が届きます。
特に髪の毛や爪などは最後に配られるため、栄養不足で体に影響が出る前に髪が抜けるなどのトラブルが起こることもあるのです。
必要な栄養はしっかり摂らないと髪には栄養は行き届かないのです。
ただし、髪のサイクルの関係から、ダイエット中には特に問題が起こらなくても、ダイエットが終わる頃に抜け毛が多くなることにもあり得ます。
不眠やストレスによる悪化
睡眠中は代謝やホルモン分泌などが行われる大切な時間です。
しかし、不眠はこれらを低下させてしまうため、代謝低下による毛細胞の分裂も低下、成長ホルモン分泌不足から髪の成長の抑制、抜け毛などにつながります。
ストレスは自律神経のバランスを乱しますが、それと関連してホルモンバランスの乱れにもつながるため、より抜け毛は増えてしまうのです。
紫外線による悪化
頭皮や毛髪が紫外線攻撃を受けることで、活性酸素が増えてしまいます。
それによって髪の正常な成長サイクルも崩してしまい、薄毛につながります。
女性薄毛は男性薄毛に比べて改善できる可能性が高い
女性と男性の薄毛の中でも遺伝による薄毛について、まず考えてみましょう。
同じ遺伝因子による薄毛であったとしても、男性のように頭頂や生え際から薄くなることが多く、女性は髪全体や分け目から薄くなります。
そして薄毛になるスピードも女性はとてもゆっくりだと言われています。
育毛剤などで対策を行ったときに進行のスピードが緩い女性の方が、対策の効果が出やすいことにもなります。
また、遺伝とは関係ない薄毛の場合も女性は多いため、その原因を改善することでまた毛髪が増えるということにもなるのです。
遺伝に影響を受けている女性は大体4分の1程度ですが、男性は7割以上が遺伝の影響を受けています。
この違いを見ても女性は遺伝による影響も少なく、原因が他にあるのでそれを排除しやすいとも言えるのです。